2007年8月15日水曜日

韓国発の異端の流れについて(その5)

さて、韓国のキリスト教系異端・カルトのなかでは、なんと言っても統一協会が突出した存在であることは異論がないでしょう。


その統一協会も、突然変異で出現したのではなく、「生まれるべくして生まれた」というか「統一協会を長い年月をかけて育ててきた」ような先達がいたのである。


統一協会は当然のことであるが、それらの先達から多くの遺産を引き継いできているのである。


統一協会の視点から、『神が再臨時代のために準備した基盤を中心とする摂理』=「一種の統一協会の協会史」の主な人物たちは以下の通りとなる。


ここに登場する人物はみな韓国の神霊神秘主義=異端・カルトにおける登場人物たちである。


男性を中心とする準備

朴東基・・・・旧約的エデン復帰派

白南柱・・・・予言と奇跡、元山のイスラエル修道院長

李龍道・・・・監理教の牧師、復興師

金百文・・・・新約的エデン復帰派、神の側の天使的・洗礼ヨハネ的立場

白南柱の弟子、イスラエル修道院を京畿道玻州につくる。

女性を中心とする準備(愛を中心とする)

金聖道(聖主教団)___(長男)鄭錫天

(平壌教会責任者)李一徳

(妻)許孝彬

「愛の世界」韓鶴子著光言社より



※神秘神霊主義教団の概略は以下の通りである。各人物については後述。

神秘神霊主義的宗派

☆神秘主義__李龍道  *1
 (李龍道派)   李浩彬
                     *2   
☆接神派系__(元山神学山)白南柱__(イエス教会)李浩彬金永雲
                          (聖主教)金聖道*3
                          (新エルサレム教会)*4
劉明花 韓俊明
☆隠者派___金成実
☆一元的熱狂神秘主義系__黄国柱*5
★幻想的愛国的宗派__シオン山帝国( )朴東基1944


*1 
1930年代の韓国教会は、20年代の経済的試練と知識の荒廃。加えて、深刻な政治的危機が重なって、茫々たる荒野を歩んでいるようであったそのようなとき、李龍道が表れた。李龍道は監理教の牧師で、苦難に表れるキリストの姿に感激し、全国各地に伝道旅行をした。李龍道はヨハネの福音書を愛し、愛を説き、愛に生きた。彼は誰にでも学ぶべきであるとの主張で、一歩踏み込みすぎ、仏教の経典や社会主義からも学び、甚だしくはサタンからも学ぶべきであると説いた。李龍道は自らを苦難のキリストと同一視するという神秘主義の誤謬に陥ってしまった。李龍道は、1900年~1933年肺結核で、33年の生涯を閉じた。

*2 
李龍道と共に神秘主義教団を興した人物に、白南柱という人物がいる。
白南柱は神秘主義の教理に則り劉明花という女性と接神劇を行うがこれは混淫であり社会問題となる。白南柱は劉明花や李維信のような接神女と結び、神託に託けて、李龍道らと謀議を凝らし「イエス教」一派を新設するが、これが問題となるや今度は、金聖道なる新しい主を中心に「聖主教」を建てあげる。
これら全てに、李龍道が拘わり、決定的役割を果たしているのである。

白南柱が、李龍道、李浩彬と謀議を凝らして「イエス教会」を新設する。
代表者は李浩彬所属していた教会は40カ所白南柱は神秘主義の入信と予言にかこつけた性的紊乱事件を起こして世を騒がせた

*3
イエス教と関係を持っていた鉄山の聖主教会で、混淫事件が起こった。
金聖道を「新しい主」と呼んで、聖主教会の総会で男女40余名が聖職者の按手を受けたが、それが混淫事件となったのである。

*4
「新エルサレム教会」李維信李ドクンが中心となる。
李維信は接神女であり、混淫事件を起こす。

*5
100日間の祈りで髪と髭をのばし、神からの啓示を受けたと言い、自分の首は切られてイエスの首がその上に継がれているという荒唐無稽の放言を乱発した。
(頭もイエスの頭、血もイエスの血、心もイエスの心・・・全部イエス化した)と語り、新しいエルサレム都城を探し求めて、当てなき巡礼の旅に出た・・・イエスの化身を一目見ようと多くの人たちが集まり、家庭を捨てて従う婦女子や、乙女等60余名がソウルに入城するときには大騒ぎになった。
黄国柱は声の分け合いや、血の分け合いを教理や実際に即して教え、その分け合いの過程を霊体交換として実現したのであるが、これは一種の混淫であった。


これらの教団がどれほど、現在の統一協会の教えとか雰囲気に近いか、文鮮明の第三夫人である韓 鶴子(ハン・ハクチャ)の母親である洪順愛ハルモニの証言を基にして検証してみることにする。

★洪順愛ハルモニの証

李龍道・黄国柱との出会い
「19歳になった年に、李龍道牧師が新しい役事を起こし始めたのですが、私も三日間恵みを受けました。また同時に、李龍道牧師と同じ復興師であった黄国柱氏が人々に多くの恩恵を与えました。黄国柱氏の一派は、五十余名でしたが、間島から始まって新しい役事を起こしながら、韓半島を巡回していました・・・私は黄伝道師の妹からも大きな感銘を受けました・・・」。

☆新イエス教
「新イエス教会は、黄国柱氏と李龍道牧師ら恵みを受けた人たちでつくられており、既成
教会からは異端として追われた教会だったのです・
・・・」。

☆聖主教
友達に知らせれば「あなたは新しいものがあると言えば、また行く」と反対されそうな、
ので、友達には知らせずに鉄山に行きました・・そのおばあさんは、聖書も正式に学ん。
だことのない人でしたが、説教も立派にされたのです」。
  ↓
◎聖主教団(金聖道)の教え
神との一問一答
年4月2日空中の門が開かれ、天上に上り・・・一問一答が交わされた。1923
①罪の根は何であるか。
  原罪の根は、果実を取って食べたことにあるのではなく、淫行関係によって堕落したのである。
②イエスは十字架で殺されるために来たのではない。
③再び来られる主は、雲に乗って来られるのではなく、肉身を持って来られるのである。
④再び来られる再臨主は東方の日出ずる国、韓国に来られる。

  統一協会の教えとそっくり 

☆腹中教
李一徳(妻)許孝彬
主が許孝彬氏の体に臨まれる。
神の子イエス様の苦労をお慰めする。
再臨主の服を準備する。

韓鶴子の母、洪順愛は、29歳まで聖主教・腹中教・李龍道派の教えに従い、その後で統一協会に通うようになる。
原理を学んでみると、聖主教団で聞いていた内容や、腹中教で聞いていた内容と、あまりにも似ていると思いました」洪順愛談



もう一度時系列的に並べ替えますが、統一協会の教えが、文鮮明や他の幹部の発明ではなく、歴史を背負ったものであることが分かります。



統一協会は「ユニークな主張」をしているのではなく、あくまでも神秘神霊教団の流れを汲む教団のひとつに過ぎません。

おかしいことに、統一協会の流れを汲むJMS(摂理)でも「再臨主は私(=教祖)だ」と主張していることです。

①罪の根は、果物をとって食べたことではなく、淫行・淫乱が罪の根である。

②キリストの十字架は失敗である。(キリストはこの世に生きて、結婚すべきであった。)

③再臨なさるメシアは天から来るのでなく、人としてもう一度生まれてくる。

④再臨主が来られるのは、東の国・韓国である。


この教えを受けて、今生きている人物を来臨・再臨の主(キリスト、メシア)と信じている方は、どうか聖書をご自分の目で、ご自身の考えで読み直して戴きたいです。

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